ロールスロイス・カリナン新車 内装フルコーティング施工事例(ダカーポ)

新車状態のロールスロイス・カリナンに、内装フルコーティングをご依頼いただきました。特注カラーのレザー、後席のシャンパングラスホルダーや冷蔵庫ユニット、精密なピアノブラックパネルと金属加飾。わずかな指紋や水跡すら質感を損ねる要素を、専門的プロセスで「目立たせず」「守り」「長く楽しむ」方向に最適化しています。本稿では、ダカーポがどのように分解・養生・塗布・仕上げを行ったか、汚れや色移りを予防するポイントも含めてご紹介します。
施工前チェックとコンセプト設計
・納車直後でも付着している微細な輸送粉塵/油膜/繊維をUVライト+斜光で確認
・特注レザー色(淡彩/明度高め)のため、色移り(デニムインディゴ等)と皮脂酸化が最大リスク
・後席バータイム想定 → 飲料の糖分・アルコール飛沫・冷蔵庫開閉時の結露水シミ対策
・オーナー様ヒアリングから「オリジナル艶を極力変えない低光沢膜」を選定
内装コーティングの目的を再定義
1. 汚れを“乗せて落とす”ための離型性
2. レザー呼吸性と柔軟性を阻害しない超薄膜
3. 金属/ピアノブラック部のヘアライン傷・拭き傷軽減
4. 冷蔵庫・グラス周辺の水滴リング防止と菌繁殖リスク低減
施工プロセス
1) 予備清掃と静電除去
帯電ブラシとイオンブローで微粒子を浮かせ、マイクロファイバー2段拭き
2) マテリアルセグメントごとのマスキング
レザー継ぎ目、電装スイッチ周囲、加飾メタルの境界を極細テープで分離
3) レザー前処理
pHバランスを保つ低刺激クリーナー → 乾燥 → 吸水シートで含水率安定
4) コーティング剤選択
- 座面/ステアリング: 摩耗耐性型ハイブリッドポリマー
- ドアトリム/上部ダッシュ: 低反射型フッ素系 + 防汚シリカ
- グラスホルダー周囲: 耐アルコール性をテスト済みの疎水被膜
5) 塗布方法
スポット→面 → 縫製部は極細アプリケータで毛細浸透を避けながら均一化
6) 乾燥・初期硬化管理
- 室温28℃±1・湿度48%前後・無風拡散循環
- 触診ではなく光学拡散でムラ確認
7) 最終検査
後席“バーラウンジ空間”特有の対策
・シャンパングラス差し込み部: 微細なリップ痕・糖分結晶を想定し撥油性重視
・冷蔵庫開閉面: 手脂+微結露での輪染み → 疎水層で拭き1回復元を実現
・ライト反射映り込み: 過度な艶上がりを避け、プレスライン陰影を自然再現
外装キャリパー×内装カラーの世界観統一

・外装キャリパーに合わせた特注内装色 → 乗降時、ドア開放アングルで視線が“外装→内装”へシームレス遷移
・内装コーティングで発色の彩度劣化(皮脂酸化の黄変)を遅らせ、ブランド全体の統一感を長期維持
・ロールスロイスならではの“静的ラグジュアリー”を質感差異最小化で守る
施工後オーナー様向けメンテナンスガイド
日常: 乗車前に衣類の金属パーツ(リベット等)確認
週次: 軽いホコリは静電ブラシ→乾拭き→必要箇所のみ弱溶剤クリーニング
月次: グラス使用後は糖分乾固前の中性クリーニング
禁止推奨: 強アルカリ・メラミンスポンジ・汚れ点押し擦り
推奨再点検: 半年〜1年で撥油性・防汚性の効き確認(部分再施工対応)
内装コーティング導入メリット
・特注レザーの色乗り保持
・飲料飛沫・指紋・皮脂・色移りの早期除去性向上
・再販価値と“初期印象”の長期維持
・清掃時間の短縮と不安要素(シミ/跡)可視化の低減
よくある質問(FAQ)
Q1: 新車時と数千km走行後、どちらがベストタイミング?
A1: 付着物が最少な新車〜数百km以内が理想。既存の軽微汚れ除去後でも可能です。
Q2: レザー本来の呼吸を妨げませんか?
A2: 透湿性を確認した薄膜設計剤を選択しており、加水分解や可塑剤移行を阻害しない組成を採用。
Q3: 施工後すぐに乗車可能?
A3: 触れない方が良い初期硬化6時間、完全安定24時間目安。
Q4: 香りや光沢は変わる?
A4: 香料無添加のため匂い残り極小。艶は既存値+5%以内(計測個体差あり)。
Q5: 飲み物をこぼした際の一次対応は?
A5: 速やかに吸い取り→特許取得の専用クリーナーで軽水拭き→乾拭き。擦り込みは避ける。
店長より
カリナン後席の“移動する静かなラウンジ”を構成する特注インテリアは、初期から戦略的に保護すると美観寿命と所有体験価値が飛躍的に伸びます。ダカーポでは素材判別・膜選定・環境管理まで一貫監修し、艶を足さずに“汚れが定着する前に離れる”状態作りを重視。特注色・バータイムを楽しむハイエンドオーナー様こそ、早期導入をご検討ください。









