雨上がりにドアを開けて換気している車内

車のシートのカビ取りと予防|梅雨と夏の車内対策

車のシートのカビは「拭き取る→乾かす→湿気を断つ」の3段階で対処します。ただし、いきなり掃除機をかけたり、浴室用の塩素系カビ取り剤を使ったりすると、胞子をまき散らしたり素材を傷めたりするおそれがあります。この記事では、今日できる応急処置から、布・革・合皮それぞれの安全な取り方、梅雨や夏に再発させない湿気対策までが分かります。

急いでいる人は、すぐ下の「今日やる応急処置」だけ読んで作業を始めてください。原因・素材別の取り方・作業時の注意・予防策は、そのあとで詳しく補足します。

この記事のポイント

  • ① カビ対処の基本は「拭き取る→乾かす→湿気を断つ」の3段階。塩素系カビ取り剤はシートに使わない
  • ② カビは温度・湿度・皮脂や食べかすなどの栄養がそろうと育つ。湿度60%以下ではほとんど発育しないとされる
  • ③ 布シートはいきなり掃除機をかけず先に拭き取り、革・合皮は固く絞った布で。広範囲なら無理せず専門店へ

今日やる応急処置|拭き取る→乾かす→湿気を断つ

カビを見つけたら、まず被害を広げないことが最優先です。次の3段階を、この順番で行ってください。

  • 1. 拭き取る:使い捨てにできる布を水で固く絞り、カビの外側から中心へ向かって拭き取ります。使った布はその都度ビニール袋に入れて密封し、処分します
  • 2. 乾かす:ドアを開けて風を通し、拭いた部分をしっかり乾かします。生乾きのままだと同じ場所にまた生えてきます
  • 3. 湿気を断つ:濡れた傘やフロアマット、飲みこぼしなど水分のもとを車内から取り除き、換気します

このとき、乾いた布でこすったり、いきなり掃除機をかけたりするのは避けてください。乾いたカビは軽く、こすった摩擦や掃除機の排気で胞子が車内に舞い上がり、かえって範囲を広げるおそれがあります。ここまでが応急処置で、素材ごとの詳しいやり方は後述します。

なぜ車内のシートにカビが生えるのか

カビが育つには「温度」「湿度」「栄養」の3つの条件が必要です。文部科学省の「カビ対策マニュアル」によると、多くのカビは0〜40℃の範囲で生育でき、25〜28℃前後がもっとも育ちやすい温度帯です。一方、相対湿度が60%以下に保たれるとカビはほとんど発育しないとされています。

車内は、この3条件がそろいやすい空間です。梅雨から夏は気温がカビの好む範囲に入り、雨の日の乗り降りやエアコンの結露で湿気がこもります。さらにシートには、皮脂・汗・食べかす・飲みこぼし・ホコリといった栄養源が日々たまっていきます。特に、車を長期間動かさずに置いていた場合や、窓を締め切ったまま梅雨を越した場合は、湿気と栄養が長時間そろい続けるため、シートだけでなくハンドルや天井にまでカビが広がることがあります。

カビの生育条件車内で起きていること
温度(25〜28℃前後が最適)春〜秋の車内はこの温度帯を頻繁に通過する
湿度(60%以下ではほぼ発育しない)雨・濡れた衣類・結露で締め切った車内に湿気がこもる
栄養(皮脂・食品成分など)皮脂・汗・食べかす・飲みこぼしがシートに蓄積する

逆にいえば、3条件のどれか、特に「湿度」と「栄養」を断てばカビは育ちにくくなります。これが後述する予防策の考え方の土台です。

車内の除湿剤と乾いた布・少し開けた窓
カビ対策の基本は「乾かす・湿気をためない」

素材別のカビの取り方

シートの素材によって、やってよいこと・いけないことが変わります。共通の原則は「水気は最小限」「作業後は必ず乾燥」「迷ったら目立たない場所で試す」の3つです。なお、シートの下や座面と背もたれの境目、ヘッドレストの付け根、シートベルトの根元などは見落としやすいので、あわせて確認してください。

布(ファブリック)シートの場合

  • いきなり掃除機をかけない。排気で胞子が舞い上がるため、先に水で固く絞った使い捨ての布で表面のカビを拭き取る
  • 拭き取ったら、薄めた中性洗剤を含ませて固く絞った布で、叩くようにして汚れを移し取る
  • 洗剤分が残らないよう水拭きで仕上げ、ドアを開けて風を通し、シートの内部までしっかり乾かす

布シートは水分がクッション材まで染み込みやすく、生乾きが再発の一番の原因になります。洗剤の使い方を含めた掃除の基本手順は車のシート掃除・洗浄の手順で詳しく解説しています。

革・合皮シートの場合

  • 水で固く絞った柔らかい布で、表面のカビをやさしく拭き取る。強くこすらない
  • そのあと、製品の表示に従って革用クリーナーで表面を整えるのが一般的。必ず目立たない場所で試してから使う
  • アルコールや塩素系の製品は、変色・ひび割れ・表面のコーティング傷みの原因になるため使わない
  • 仕上げは直射日光を避け、風を通して乾かす。ドライヤーの熱風で急激に乾かさない

革・合皮は水分と摩擦に弱い素材です。日常の手入れや保湿の考え方は本革シートの手入れを参考にしてください。なお、スエード調(起毛)シートは、自己流の処理でテカリや毛並みの崩れが起きやすいため、専門店に相談するのが安全です。自分の車のシート素材が分からない場合はhttps://www.starex-solutions.jp/archives/14175で確認できます。

作業するときの注意|塩素系は車内で使わない

  • マスク(あれば手袋も)を着けて作業し、胞子を吸い込まないようにする
  • ドアや窓を開け、換気しながら作業する
  • 浴室用などの塩素系カビ取り剤は車のシートに使わない。色抜けや素材の傷みの原因になるうえ、狭い車内での使用は刺激臭がこもりやすい

塩素系の製品には「まぜるな危険」の表示があります。酸性タイプの製品と混ざると有害なガスが発生するためで、国民生活センターも、塩素系洗浄剤は必ず単独で使い、十分に換気するよう注意を呼びかけています。これは浴室など住宅での使用を想定した注意ですが、車内は換気がさらに難しい密閉空間です。そもそも車内・シートでは塩素系製品を使わない、と覚えておくのが安全です。

カビを防ぐ|梅雨と夏の湿気対策

取り除いた後は「湿気」と「栄養」を断って、カビが繁殖しにくい環境を保ちます。ポイントは次のとおりです。

  • 濡れたまま放置しない:濡れた傘やレインコートは袋やトランクへ。シートが濡れたらその日のうちに拭いて乾かす
  • 雨の日が続いた後は、晴れた日にドアを開けて車内に風を通し、フロアマットを外して干す
  • エアコンの冷房を使った後は内部に結露が残りやすいため、停車前に送風に切り替えて内部を乾かす使い方が知られている
  • 風通しの悪い車庫や湿気の多い場所に駐車している場合、また長期間乗らない場合は、定期的にドアを開けて空気を入れ替える
  • 食べかすやゴミをためない。車内での飲食後はこまめに片付け、皮脂や汗が付きやすい席は時々拭いておく

目安として意識したいのは、前述の「湿度60%以下」というラインです。乗車のたびに数分でも換気する習慣をつけるだけでも、車内に湿気がこもりにくくなります。また、梅雨入り前と夏の終わりにシートまわりを点検して拭いておくと、繁殖しはじめの小さなカビを早い段階で見つけられます。皮脂や食べこぼしといった汚れそのものを減らす習慣・道具はhttps://www.starex-solutions.jp/archives/14177にまとめています。

カビ臭が残る・広範囲に生えたときは

拭き取ってもカビ臭さが消えない場合、においのもとがシートの繊維の奥や、エアコン内部にあることが少なくありません。トヨタ自動車の公式解説では、エアコン内部のエバポレーターに花粉やホコリが付着し、結露と重なることでカビが繁殖しやすい環境ができ、においの原因になるとされています。エアコン由来が疑われるときは、フィルター交換や内部洗浄を販売店や整備工場に相談してください。

車内のにおい全般の原因の切り分けと対処は車内の消臭にまとめています。また、カビが内部まで達している場合や、シート全体・複数の席に広がっている場合、拭いても黒い染みが残る場合は、無理にこすらず車内クリーニングの専門店に相談するのが確実です。こすり過ぎはシートの傷みや色落ちにつながります。

コーティングはカビ対策になる?|Starex の位置づけ

結論からいえば、Starex は色移り・汚れ・皮脂などからシートを守ることを目的とした製品で、カビへの効果は謳っていません。カビ対策は、この記事で述べてきた換気・乾燥が基本です。そのうえで位置づけを説明すると、Starex(スタレックス)は水性タイプのシートコーティングです。本革・合皮・ファブリックなど車のシートの表面に透明な保護層をつくります。施工は本部認定の技術講習を受けた認定施工店のみが行っており、素材によって適否が異なるため事前に相談してください。

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守る|Starex 水性シートコーティングは、研修を受けた認定施工店だけが施工します。シート素材の見立てからご相談いただけます。
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きれいにする|すでに付いた汚れ・ニオイ・カビは、車内クリーニング・特殊消臭・カビ除去に対応する Restore Core(レストアコア)加盟店へ。きれいにしてから守る、が順番です。
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Starex 認定施工店・Restore Core 加盟店とも北海道から沖縄まで。施工の可否・料金は車種・素材の状態・施工店によって異なります。

よくある質問

車のシートのカビにアルコールを使ってもいいですか?

革・合皮シートには使わないでください。変色やひび割れ、表面の傷みの原因になります。布シートでも色落ちのおそれがあるため、基本は水で固く絞った布での拭き取りと乾燥で対処し、どうしても使う場合は目立たない場所で試してからにしてください。

塩素系のカビ取り剤は車のシートに使えますか?

使えません。色抜けや素材の傷みの原因になるうえ、換気の難しい車内では刺激臭がこもりやすく危険です。塩素系製品は酸性の製品と混ざると有害なガスが発生するため「まぜるな危険」と表示されており、住宅で使う場合でも単独使用と換気が大前提です。

一度カビが生えたシートは元どおりになりますか?

表面に生えた軽いカビであれば、拭き取りと乾燥で目立たなくできることが多いです。ただし、クッション材の内部まで達している場合や、黒い染みとして残ってしまった場合は、家庭での作業では落としきれないことがあります。その場合は車内クリーニングの専門店に相談してください。

シートコーティングをすればカビは生えなくなりますか?

生えなくなるわけではありません。コーティングは汚れの染み込みを防ぐためのもので、カビ対策として謳われるものではありません。基本は換気と乾燥です。

車のシートのカビは、「拭き取る→乾かす→湿気を断つ」の3段階を押さえれば多くの場合は家庭で対処できます。シートの掃除やにおい対策とあわせて、車内を清潔に保つ習慣づくりに役立ててください。

【本記事の参考ソース】文部科学省「カビ対策マニュアル(基礎編)」 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/003/houkoku/08111918/002.htm /国民生活センター「住宅用塩素系洗浄剤の使い方−まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています−」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260318_1.html /トヨタ自動車「アフターサービス|クルマのメンテナンス|エアコン」 https://toyota.jp/after_service/tenken/driver/maintenance/airconditioner/index.html

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