ハンディ掃除機で車のファブリックシートを掃除する様子

車のシート掃除・洗浄の手順|布・本革・合皮の素材別

車のシート掃除・洗浄は「掃除機→乾拭き→素材別の洗浄→乾燥」の順番で行うのが基本です。ただし、布(ファブリック)・本革・合皮では使ってよい洗剤や水分の量が違い、順番は同じでも中身が変わります。この記事では、全体の順番と道具、素材別の手順、NG、乾燥のコツ、プロに頼む目安までを解説します。

今すぐ拭きたい人は、次の「正しい順番」だけ読めば足ります。なお、こぼしたジュースや嘔吐など「汚れの種類別の応急処置」は姉妹記事「https://www.starex-solutions.jp/archives/14129」に任せ、本記事では日常の掃除・洗浄に絞ります。

この記事のポイント

  • ① 順番は掃除機→乾拭き→素材別の洗浄→乾燥。濡らす前にほこりを取るのが失敗しないコツ
  • ② 布は泡タイプ、本革・合皮は薄めた中性洗剤と固く絞った布が基本。溶剤・熱・硬いブラシは共通 NG
  • ③ 生乾き臭の原因は「濡らしすぎ」と「乾かし切らない」こと。時間ではなく状態で乾燥を判断する

車のシート掃除・洗浄の正しい順番

いちばん多い失敗は、ほこりや食べかすが残ったまま濡らして汚れを擦り込むことです。カーケア用品メーカーのソフト99も、布・本革どちらの手順でも「先に掃除機がけ」を挙げています。

  1. 掃除機:座面・背もたれ・縫い目・隙間まで吸い取る。砂粒は本革や合皮の表面を傷つけるため、ここで取り切る
  2. 乾拭き:乾いたやわらかい布で表面をなで、細かいほこりを落とす
  3. 素材別の洗浄:布は泡タイプのクリーナー、本革・合皮は水で薄めた中性洗剤を含ませて固く絞った布で拭く(後述)
  4. 洗剤の拭き取り:きれいな水を含ませて固く絞った布で、残った洗剤を拭き取る
  5. 乾燥:乾いた布で水分を取り、風通しのよい日陰で乾かす。直射日光やドライヤーの熱風で急いで乾かさない

トヨタの取扱説明書(ハリアー)の車内の手入れも「掃除機などでほこりを取り除き」→中性洗剤を「うすめて」拭く→「水を浸した布を固くしぼり」洗剤を拭き取る、の順です。

用意する道具と、素材別に使ってよい道具・NG

用意する道具は次の 6 点。素材別の「使ってよい道具」と「NG」は、その下の表のとおりです。

  • 掃除機(隙間ノズル付き)
  • やわらかい布 3 枚以上(乾拭き用・洗浄用・拭き取り用で分ける)
  • 中性洗剤(本革は「ウール用の中性洗剤」を指定するメーカーあり)と薄めるための水
  • 布シート用の泡タイプクリーナー(布シート専用のもの)
  • やわらかいブラシ(布シート用。硬い毛は不可)
  • できれば扇風機やサーキュレーター(乾燥を早める)
素材使ってよい道具・洗剤NG(使わない・やらない)
布(ファブリック)掃除機/布シート用の泡クリーナー/やわらかいブラシ/固く絞った布/薄めた中性洗剤水をかける/本革用クリーナー/硬いブラシで強くこする/泡の長時間放置/熱風で急乾燥
本革掃除機/乾いたやわらかい布/薄めた中性洗剤を含ませ固く絞った布/自動車用の本革クリーナーシンナー・ベンジン・アルコール・酸性やアルカリ性の溶剤/家具用・靴用の革クリーナー/布用クリーナー/ブラシ/直射日光・高温で乾かす
合皮(合成皮革)掃除機/固く絞った布/薄めた中性洗剤/自動車用の合皮対応クリーナー有機溶剤・アルコール・漂白剤/ワックスや艶出し剤/硬いブラシ/熱(ドライヤー・炎天下)/濡らしすぎ

中性洗剤の濃度はメーカーと素材で異なります(トヨタは車内一般・合皮で約1%、本革はウール用中性洗剤で約5%、マツダは布張りで約5%、日産は本革の油性汚れで2〜3%)。一覧は「https://www.starex-solutions.jp/archives/14130」にまとめ、この記事では以下「薄めた中性洗剤」とだけ書きます。ご自身の車の取扱説明書の値に従ってください。

溶剤は、トヨタの取扱説明書が「シート部分:シンナー・ベンジン・アルコール・その他のアルカリ性や酸性の溶剤」を、日産の取扱説明書(ノート)が「ベンジン、シンナーなどの有機溶剤や酸、アルカリ性の溶液」を使わないよう明記しています。

車のシート掃除に使うクロス・スプレー・ブラシの道具一式
道具は柔らかいクロス・薄めた中性洗剤・柔らかいブラシが基本

布(ファブリック)シートの掃除・洗浄手順

布シートは汚れが繊維の奥に入りやすい一方、使える洗剤の選択肢が本革・合皮より広いのが特徴です。ただし下のウレタンまで水を含ませると乾きにくく、生乾き臭の原因になります。「濡らすのは表面だけ」がコツです。

  1. 掃除機で座面・背もたれ・縫い目・隙間を吸う
  2. 乾いた布で表面をなで、細かいほこりを落とす
  3. 布シート用の泡クリーナーを目立たない場所(座面の側面など)で試し、色落ちがないか確認する
  4. 汚れに泡をのせ、説明書どおりの時間を置いてから、乾いた布で軽くこすりながら拭き上げる
  5. 落ちにくい所はやわらかいブラシで軽くブラッシングし、固く絞った濡れタオルで泡を拭き取る
  6. 全体をならすように乾拭きし、風通しのよい日陰で乾かす

洗剤で行う場合は、マツダの取扱説明書(CX-5)の布張り部分の案内が参考になります。「水で薄めた中性洗剤…をやわらかい布に含ませ、軽くたたくようにして汚れた部分をふき取り」、「きれいな水にひたした布を固くしぼり、残った洗剤をふき取ります」という手順です。こすらず「たたく」のがポイントです。

泡クリーナーは、ソフト99の製品説明に「変色やシミの原因になるので本革類には使用しないでください」「泡を残したまま長時間放置しないでください」とあるとおり、布用と本革用を混用しないことが大切です。

本革シートの掃除・洗浄手順

車の本革シートは、家具や靴の革と違い、表面に樹脂のコーティングが施されているものが大半です。ソフト99も「特殊なコーティングが施されている」ため「家具用の皮革クリーナーや靴・バッグ用のツヤ出しクリームは使用できない」としています。ナッパレザーやセミアニリンなど仕上げの違いは「ナッパレザーとは|本革・セミアニリンとの違い」で解説しています。

  1. 掃除機でほこりや砂を取り除く(砂が残ったまま拭くと細かい傷が入る)
  2. 乾いたやわらかい布で乾拭きする(日常はここまでで十分なことが多い)
  3. 汚れがあれば、薄めた中性洗剤をやわらかい布に含ませ、固く絞って拭き取る
  4. きれいな水を含ませて固く絞った布で、表面に残った洗剤を拭き取る
  5. 乾いたやわらかい布で水分を取り、風通しのよい日陰で乾かす

本革は水分の量に注意します。ソフト99は「タオルが濡れすぎていると、縫い目やコーティングの劣化した部分から水が浸みることもある」と注意しています。「固く絞る」を徹底し、水を直接かけないでください。洗剤の濃度、お手入れの頻度、保湿クリームの選び方は「https://www.starex-solutions.jp/archives/14130」で詳しく扱います。

合皮(合成皮革)シートの掃除・洗浄手順

合皮は表面が樹脂の層なので汚れは落としやすい反面、溶剤や熱に弱く、劣化すると表面がひび割れたりべたついたりします。手順は本革とほぼ同じで、洗剤はより薄めが目安です。

  1. 掃除機でほこりを取り除く
  2. 乾いたやわらかい布で乾拭きする
  3. トヨタの取扱説明書のとおり、薄めた中性洗剤を「やわらかい布に含ませふき取る」。目立たない場所で試してから全体へ
  4. 「水を浸した布を固くしぼり、表面に残った洗剤・水分をふき取る」
  5. 乾いた布で水分を取り、風通しのよい日陰で乾かす

合皮でとくに避けたいのは、アルコールを含むウェットシートや艶出し剤・ワックスを繰り返し使うことです。表面の樹脂層が変質する原因になり得ます。トヨタの取扱説明書も内装に「艶出しワックスや艶出しクリーナーを使用しないでください」としています。すでにべたつき・剥がれが出ている場合は掃除では戻らないため「https://www.starex-solutions.jp/archives/14132」を参照してください。

やってはいけないこと(濡らしすぎ・溶剤・熱・硬いブラシ)

次の 4 つは、やってしまうと取り返しがつかないことがある、全素材共通の NG です。

  • 濡らしすぎ:水をかける、びしょ濡れの布で拭く、スチームを当てる。内部に水が残って生乾き臭やカビの原因になり、本革は縫い目から水が浸みる。トヨタは「車内に水をかけたり液体をこぼしたりしないでください」と、電気部品やエアバッグの故障の危険も挙げている
  • 溶剤:シンナー・ベンジン・アルコール・酸性やアルカリ性の洗剤・漂白剤。変色・しみ・はがれの原因になる(トヨタ・日産の取扱説明書に明記)
  • :ドライヤーの熱風、炎天下での急乾燥、直射日光への長時間放置。本革は変色・硬化、合皮はひび割れの原因になる。乾燥は「風通しのよい日陰」が各社共通
  • 硬いブラシ・強くこする:布は毛羽立ち、本革・合皮は表面が傷つく。ブラッシングは布シートで「軽め」に行う場合だけ

布用クリーナーを本革に使うなどの「用途違い」もよくある失敗です。まず目立たない場所で試してください。

乾燥時間の目安と生乾き臭の防止

生乾き臭は、クッション内部に残った水分が抜けきらないまま雑菌やカビが増えて起きると考えられます。防ぐ方法は「濡らす量を最小にする」と「乾き切るまで使わない」の 2 つです。乾く時間は季節・湿度・濡らした量で大きく変わるため、状態で判断してください。

  • 表面だけ軽く濡らした程度なら、換気や送風で数時間が目安。厚手の布シートや泡を多めに使った場合は安全側に見て翌日まで座らない
  • 乾いたかどうかは、手のひらで座面を押さえて「ひんやり感」がないか、乾いたティッシュを当てて湿らないかで確認する
  • 扇風機の送風やエアコンの除湿(換気とあわせて)は乾燥を早める。熱風は使わない
  • トヨタはカーペットを「常に乾いた状態を保つことをおすすめ」し、日産は本革が「水などでぬれたときは早めにふき取って」と案内。濡れたら放置しない
  • におい残りは、まず乾燥を徹底する。におい成分を吸着・中和するタイプの車内用製品もあるが、湿ったままでは働きにくい

自分でやる範囲とプロに頼む目安

日常の汚れ・軽い皮脂汚れ・ほこりは自分で対応できます。次の状態は専門店やディーラーに相談したほうが、結果的にシートを傷めずに済みます。料金は店舗や状態で異なるため見積もりで確認してください。

  • 本革の色あせ・ひび割れ・表面の剥がれ(洗浄ではなく補修の領域)
  • 合皮のべたつき・表面の剥がれ(劣化が進んでおり、こすると悪化する)
  • 液体が奥まで染み込んだ、または一度乾いた後もにおいが戻る(内部洗浄や乾燥設備が必要)
  • 自分で試して色むら・輪じみ・変色が出てしまった
  • アルカンターラ、ウルトラスエード、ヌバックなどの起毛素材で汚れが広範囲(扱いが本革・合皮と違う。「https://www.starex-solutions.jp/archives/14124」も参照)
  • 取扱説明書どおりの方法で落ちなかった

基準は「表面の汚れ」は自分で、「素材の劣化」「内部まで入った汚れ・におい」はプロへ、です。迷ったら取扱説明書を確認し、それでも判断がつかなければ専門店に状態を見せて相談してください。

Starex 水性シートコーティングとの関係

きれいにしたあとのシートを、次の汚れから守るのが「シートコーティング」の役割です。Starex(スタレックス)は水性タイプのシートコーティングで、本革・合皮・ファブリックなど車のシートの表面に透明な保護層をつくり、色移り・汚れ・皮脂・整髪料などからシートを守ります。素材の質感を損なわない設計思想で、施工は本部認定の技術講習を受けた認定施工店のみが行います。

位置づけは、本記事の手順で素地を整えたあとに行う「保護」の工程です。コーティングをしても日常の掃除機がけや乾拭きは必要です。アルカンターラやウルトラスエード、ヌバックのような起毛素材は素材によって適否が異なるため、施工の可否は素材名を伝えて認定施工店に事前相談してください。水性と油性の違いは「水性 vs 油性の比較」で解説しています。

よくある質問

車のシート掃除は何から始めればいい?

掃除機からです。ほこりや砂を先に吸い取らないと、濡らしたときに汚れを擦り込んでしまいます。掃除機→乾拭き→素材別の洗浄→乾燥が基本で、素材で変わるのは「洗浄」の中身だけです。

車のシート洗浄に食器用の中性洗剤でもよい?

布・合皮は、各社の取扱説明書が案内する「中性洗剤を水で薄めたもの」に当たるため、液性が「中性」と表示された洗剤なら使えます。ただし本革は、トヨタが「ウール用の中性洗剤」を指定しているため、食器用ではなくウール用(おしゃれ着用)を選ぶのが安全です。濃度は取扱説明書に従い、目立たない場所で試してから使ってください。

シートコーティングをしていても掃除は必要?

必要です。コーティングはシート表面に保護層をつくって汚れや皮脂から守るもので、ほこりが付かなくなるわけではありません。Starex の水性シートコーティングを施工した場合も、掃除機がけと乾拭きは続けてください。溶剤や硬いブラシを避ける NG も同じです。

車のシートクリーニングを自分でやる場合、スチームクリーナーは使ってもいい?

おすすめしません。スチームは高温と水分を同時に与えるため、本革・合皮は熱による変質、布は内部まで濡れて生乾き臭の原因になります。メーカーの取扱説明書はいずれも「固く絞った布」と「風通しのよい日陰で乾燥」を案内しています。

掃除してもシミやにおいが残るときは?

汚れの種類(ジュース・コーヒー・嘔吐など)で応急処置が異なります。詳しくは姉妹記事「https://www.starex-solutions.jp/archives/14129」を参照してください。乾いた後もにおいが戻る場合は内部に染み込んでいる可能性が高く、専門店に相談する目安です。

【本記事の参考ソース】トヨタ自動車「HARRIER 取扱説明書|内装の手入れ」(https://manual.toyota.jp/harrier/2406/cv/ja_JP/contents/vhch06se010402.php)/日産自動車「NOTE 取扱説明書|本革シートのお手入れ」(https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/NOTE_SPECIAL/GAS/1709/PG/guid-4cec0fef-a047-4267-b6d4-85a87269bc26.html)/マツダ「CX-5 取扱説明書|布張り部分の手入れ」(https://www2.mazda.co.jp/carlife/owner/manual/cx-5/kf/eksu/contents/05050102.html)/ソフト99コーポレーション「洗車ナビ|本革シートのお手入れ方法」(https://www.soft99.co.jp/sensya-navi/howto/howto_15/)/同「洗車ナビ|布シートのお手入れ方法」(https://www.soft99.co.jp/sensya-navi/howto/howto_20/)/同「ニュー布シートクリーナー 商品情報」(https://www.soft99.co.jp/products/detail/02051/)/同「99ブロ|初めてでも簡単、本革シートのお手入れ方法」(https://www.soft99.co.jp/blog/6164/)

株式会社 and CLEA

〒861-8034
熊本県熊本市東区八反田 1-3-78

Tel. 096-223-5536

上部へスクロール
💬LINEで相談 📍近くの認定店を探す 🤝加盟店募集